コラム

七年を経て実を結んだ「ストックのビジネス」に思う

フォーサイト誌9月号「シリコンバレーからの手紙」(132)に書いた「七年を経て実を結んだ「ストックのビジネス」に思う」 http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u132.html が、ネット上にアップされました。 ・・・・・・・ 「フローのビジネス…

編集者からベンチャーのキャリアパス

「生命保険 立ち上げ日誌」を読んでいたら、 担当講師は8月入社のK。某出版社で凄腕編集者として、何本もの大ヒット作をプロデュースした逸材。この本とかこの本とかこの本とか、担当した本は総計300万部くらい売れている。 とある。 仕事柄、出版社の編集者…

「現代の若きエンジニアの物語」としても読める岡本かの子「老妓抄」

友人から勧められて、はじめて岡本かの子の作品を読んだ。 青空文庫でも読むことができる。 一行一行に凝縮された文章の濃さが味わい深い。読みどころ、面白さは別のところにあるのだが、時代を超えて今日的だと感動したのは、財をなした老妓が、出入りの電…

人と違うことをする

人と違うことをする。あんまり誰もやっていないことならなおいい。それで同じようなことを誰かがあとからやり始めるなら、「その場所はどうぞ」という感じでまた別の新しいことを始めたくなる。特に心掛けてきたわけでもなくそう自然に生きてきたところを見…

サバティカル・コーチ

「ハーバード大学医学部留学・独立日記」からトラックバックをいただいた。 サバティカルの定義は次の通り。 サバティカル(sabbatical) A sabbatical is a period away from your normal routine - a time to immerse yourself in a different environment…

積み上がった書類の山を整理して

自宅の机の横に積み上がった書類の山(FAX、ゲラ、原稿・・・)を整理する(大半は処分する)ことにして、その中身を読むに、この一年半は(本業以外に)よく働いたなとつくづく思った。だから疲れているのだな。「ウェブ進化論」(昨年二月刊)が売れたことで、さま…

幼なじみと会い、父を思い出す

幼なじみの親友が、家族で我が家に遊びにきてくれた。 著書にサインして彼の息子たちにプレゼントしたが、そんなことをしながら父のことを思い出していたからだろうか、久しぶりに父の夢を見て早くに目が覚めた。 それで早朝から追悼文集を開いてみる。むし…

英語圏の「独走」を許す「パブリックな意識」の差

フォーサイト誌6月号「シリコンバレーからの手紙」(130)に書いた「英語圏の「独走」を許す「パブリックな意識」の差」 http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u130.html が、ネット上にアップされました。 ・・・・・・・ 最近私が痛切に感ずる…

海外に住んでも母国語中心に生きること

シリコンバレーに移って約一年という若い友人と話をしていて、ウェブ進化とグローバリゼーションの結果、海外に住んでいても「情報についてはネット」「食材などのリアルな物についてはグローバル物流」のこの十年の異常なまでの発展によって、「海外に住む…

フューチャリスト宣言や茂木さんのことやはてなのことなどを酔っ払いながら書いてみる

なんとなく気が向いたので、酔っ払いながら、思ったことを思ったままに書いてみる。 今日は久しぶりに、茂木健一郎さんのブログから、講演等の音声の最近の分をまとめていろいろダウンロードして、聞くとはなしに聞こえてきた話に耳を傾けていた。 「フュー…

サバイバルという言葉が嫌いなら使わないで話そうか

Rich Chen(ex-Google、Hatena Inc.取締役)と「はてなの経営」について話をしていると、彼の「グローバルな発想」からいつも新鮮な刺激を受け、学ぶことが大きい。それは彼がアメリカ人だからではなく「英語圏のネット世界」に「住むように暮らしてきた」から…

生きるために「読み」 「書くこと」で生きる

フォーサイト誌5月号「シリコンバレーからの手紙」(129)に書いた「生きるために「読み」 「書くこと」で生きる」 http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u129.html が、ネット上にアップされました。 ・・・・・・・ 『遠い太鼓』は、四十歳を迎…

サバイバルって当たり前のことなんじゃないの

僕の「座右の銘」は、アンディ・グローブの「Only the Paranoid Survive」(極度な心配性だけが生き残る)という言葉。サバイバルっていう言葉は、ちょっとざわざわするから、わざと使っている。 それで、なんかサバイバルという言葉に極端に「嫌だ」って感じ…

サバイバルのための人体実験を公開すること

ネットイナゴ問題については、はてなブックマーク開発者id:naoyaのダイアリーを基点に皆さんと一緒に考えていくことになります。僕もときどき参加します。 さて、僕が何かを書くと「ポジティブだ」という意見を述べる人がいる。誰が何をどう読みどう思おうと…

最近つくづく思うこと

たとえば小林秀雄や司馬遼太郎といった故人の作品を読み返すとき、彼らはネット上に溢れる無数の読者の「作品に対する感想や批判(ときには罵倒)」を読む機会を得なかったんだなあと思い、現代に生きる幸福を痛感する。 ネットは社会全体を相手にするのだから…

思い出の場所を訪ね歩いて思ったこと

1997年5月1日に独立してシリコンバレーで会社(MUSE)を作った。明後日でとうとう10年になる。 いい記念なので、この週末は土曜と日曜に分けて、アメリカにやってきて過ごした思い出の場所を、妻と二人で訪ね歩くことにした。 初めて一年間アメリカに住んだの…

科学者に衝撃を与えた「ロマンティックでない」グーグル

フォーサイト誌3月号「シリコンバレーからの手紙」(127)に書いた「科学者に衝撃を与えた「ロマンティックでない」グーグル」 http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u127.html が、ネット上にアップされました。 ・・・・・・・ 日本出張を控え…

電話もない頃の知的生産

「金子教室」について書いてみて、それを改めて読み、当たり前ながら、電話のない頃と、これだけ通信環境、ネット環境が進んでしまった今の「知的生産のあり方」が激変していることに気づく。 なるほど昭和25年に雑誌に原稿を書く(金子の場合は「将棋の解説…

生命とは制御できないもののことである

茂木健一郎「クオリア日記」の「生命とは制御できないもののことである」が面白い。「フューチャリスト宣言」(ちくま新書、5月刊)での対談の中で、「ネット」や「ブログ」や「いまウェブ上で起きていること」を、脳の仕組みや生命現象の本質と照らして、僕た…

お金のリテラシー、「路頭に迷う」、「向き不向き」「好き」と競争力の関係

さて次はねと要素をどんどん並べていくとかえって本末転倒になるので、「ウェブ・リテラシー」「友達のネットワークに働きかける営業力」ともう一つでやめる。もう一つは「お金のリテラシー」だ。そう書こうと思っていたら、先に書いてくれた人がいた。「Jun…

「「個」として強く生きること」と「ウェブ・リテラシーを持つこと」の関係

大組織適性の話はちょっとここで一段落。 具体例がどうも「一流大企業で自己実現」か「ベンチャー創業」かみたいになると、敷居がおそろしく高い話になってしまうが、僕の意図はちょっと違う。 「大企業かベンチャーか中小企業か・・・」という構図も違う。 …

「何かの専門性」と、「好き」を共有する友達のネットワークと、そこに働きかける「営業力」

さて「好き」を核にして「「個」として強く生きること」を目指すための、小林秀雄の言う「ほんとうの助言」の試みを続けてみよう。 現在から未来にかけて「好き」を貫いていく以上、リアルとネット(SNSのコミュニティなど)の両方で「好き」を共有する友達の…

自らの傾向や「向き不向き」に向き合うこと

自分の「好き」を発見するのは難しい。自分で「好き」だと意識していないことが実は「好き」だったのだと何年もたって発見することもある。「継続できる」というのは「好き」の証明であり、何事においても「継続できる」ことが、何かを成し遂げるためにはと…

大企業の今後、そこでの適性、それと「好きを貫く」こと

僕もモノを書くプロだし、ブログも4年以上真剣に書いているわけで、どういうテーマでどういう書き方をするとどういう反応が返ってくるか、というのはだいたいわかった上で、わざわざこういう一連のエントリーを書いているつもり。ブログだから本と違って「勢…

勉強になる反応(トラックバック等の中から)のご紹介

まずは「カウンセリングルーム:Es Discovery」の「キャリアデザインと主観的選好を巡る大企業志向とベンチャー志向の価値認識の差異」から。僕がいつも凄いなあと思いながら読んでいるブログ。じつに面白いので是非ご一読を。 大企業志向の人が『好きを貫く…

「好きを貫く」ことと大企業への就職

今日は軽く雑談風に。 「好き」というのは本当に人それぞれである。僕の本業は経営コンサルタントでそれを18年もやっているから、仕事の付き合いでいえば圧倒的に日本の大企業の人達が多い。仲の良い友人、尊敬している経営者とか、たくさんいる。それで僕が…

「フューチャリスト宣言」(梅田望夫 ・茂木健一郎共著)

たまたま日付は4月1日だけどエイプリルフールではありません。 五月連休明けに茂木健一郎氏との共著「フューチャリスト宣言」が発売されます(アマゾン、紀伊国屋BookWeb等で予約販売中)。 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4480063617.html 2007年5月7日…

「好きを貫く」のはそんなに簡単なことではない。意識的で戦略的でなければ「好きを貫く」人生なんて送れないよ。

「直感を信じろ、自分を信じろ、好きを貫け、人を褒めろ、人の粗探ししてる暇があったら自分で何かやれ。」を書いてから二週間。休暇で海外に出ていたのでしばらくこのブログを更新できなかったが、その間の膨大な反応も、帰国してから全部読んだ。 僕の本や…

嵐のような反応を読んで

Lingrイベントを終えたあとで書いたエントリーには、2日間で35,000を超えるアクセス。700を超えるブックマーク。トラックバック、コメントも大量に届いた。 CNET時代に「電車男」を紹介したとき(2004年6月)以来という気がする。賛否はともかく、これだけの強…

「東大のこと、教えます」(東京大学総長 小宮山宏)

この本の帯に「読むと勇気がわく話 全55問」とあるように、編集部が用意した「なかなか答えにくそうな面白い質問」に、東大総長・小宮山宏がかなり本気で本音で答えている本である。この本は若干僕も関わりがあるので、僕の褒め言葉は割り引いて読んでいただ…