Entries from 2007-07-01 to 1 month

名人戦棋譜速報(月額500円)と「名局推薦」のすすめ

最近やっと少し時間ができたので、名人戦棋譜速報サイトに登録した(月額500円)。 http://www.meijinsen.jp/ 「名人戦棋譜速報」では、棋界の頂点を決する名人戦七番勝負はもとより、年間約600局にのぼる名人戦順位戦(A級〜C級2組)の全対局をほぼリアル…

英語圏の「独走」を許す「パブリックな意識」の差

フォーサイト誌6月号「シリコンバレーからの手紙」(130)に書いた「英語圏の「独走」を許す「パブリックな意識」の差」 http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u130.html が、ネット上にアップされました。 ・・・・・・・ 最近私が痛切に感ずる…

これは素晴らしい名講演だった

井上靖「利休の遺したもの」を聴いた。 気力充実の素晴らしい名講演だった。これまで聴いた講演の中でベストに近い。 話の内容から察するに「本覚坊遺文」完成を間近に行われたようだ。改めて「本覚坊遺文」を読んでみよう。長い年月をかけての大作の完成を…

GoogleがPostiniを$625milで買収

「Google to Acquire Postini」 Google Inc. (NASDAQ: GOOG) announced that it has signed a definitive agreement to acquire Postini, a global leader in on-demand communications security and compliance solutions serving more than 35,000 busines…

昭和十年の将棋観戦記

将棋名人戦は今年第66期であるが、第1期名人戦は昭和10年6月の花田長太郎八段対金子金五郎八段戦から、昭和12年2月の木村義雄八段対花田長太郎八段戦まで、足掛け三年の歳月をかけた「八段特別リーグ戦」(9名の八段の先後総当り、二日制・持ち時間各13時間)…

今日の短編(20) 小池昌代「タタド」(「新潮」07年6月号所収)

休暇は続く。今日は7月4日でアメリカはお休み。あいかわらず本を読んでばかりいる。 「タタド」は同時代の短編小説の中では群を抜いて面白かった。 文芸誌に載っている多くの短編小説を読むとき、まず最初の一ページを読んで、さらに読みたいと思うかどうか…

ドノソ「夜のみだらな鳥」

よし今度は短編小説でなく長編にいこうと、力が湧いてはきたが、果たして最後までいけるだろうか。前から、まとまった時間が取れたら読もうと古書店で買い求めておいたドノソの「夜のみだらな鳥」。邪道かもしれないがラテンアメリカ文学はいつも解説(鼓直)…

人間の一局 均衡の美

7月3日朝日新聞朝刊の将棋特集面「棋士の格かけた戦い 将棋名人戦 第66期順位戦」で、ファン代表ということで僕のインタビューが掲載された。棋力からいえばファン代表などおこがましい限りなのだが、ときどきこの欄で将棋のことを書いている内容が記者の方…

今日の短編(18) 多和田葉子「海に落とした名前」

久しぶりの休暇中。 他者の悪夢の中に迷い込んだよう。 「記憶がない。自分の名前がみつからない。手がかりはポケットの中のレシートだけ。スーパー、本屋、ロシア式サウナ・・・・・・。」 という帯の文章からは、主人公の「落とした名前」を探す物語が始ま…

今日の短編(19) 井上靖「生きる」(「石濤」所収)

本を読んでばかりいる。 「孔子」にとりかかる直前、著者最晩年の日常を綴ったもの。食道がん手術後、無意識のうちに何度も発していた言葉は家族によれば、 地獄はあの世にはない。若しあるとすれば、この世にある。 だったと言う。 それから三年という歳月…

吉田秀和「小林秀雄」(吉田秀和全集10所収)

音楽はどうにもこうにもからっきしダメなので、美術評論は読むのだが音楽評論だけは読まずに今日に至る。よって吉田秀和は絶対に読まないはずだったのだが、横浜逍遙亭がしばしばブログで盛んに勧めるので、音楽以外のエッセイや評論だけを全集から選んで三…