人と違うことをする
人と違うことをする。あんまり誰もやっていないことならなおいい。それで同じようなことを誰かがあとからやり始めるなら、「その場所はどうぞ」という感じでまた別の新しいことを始めたくなる。特に心掛けてきたわけでもなくそう自然に生きてきたところを見ると、よほど自分は「天の邪鬼」なのかもしれないと思う。
数年前から「サバティカル」(研究のための長期休暇: 米国の大学などでは七年に一年の割合で休む制度がある)を取りたいと漠然と思いはじめたが、じつはこれが本当はいちばん難しくて「あんまり誰もやっていないこと」なんだという発見をした。「仕事をする」よりも「休むこと」のほうが、現代の日本人ビジネスマンにとっては、未踏の経験なのだ。「休む」と失うものも大きいからね、特に日本社会は連続性・継続性を重んじるから。それで、本業の「サバティカル」を取るまでにはかなり時間を要するのだが、「モノを書く」ことの「サバティカル」からまず始めて助走をつけて、それもいずれはやろうと思う。
いくつかの著書の中で、「変化していく自分を楽しむ」ことについて書いたが、僕はそのときどきで「何をすると自分がいちばん変化できるだろうか」を考えながら、自分がやることの優先順位をつけてきたのだが、いま僕の心の中で湧き上がっているのが「休むと自分はどう変化するか」を見てみたいという気分なのである。