七年を経て実を結んだ「ストックのビジネス」に思う

フォーサイト誌9月号「シリコンバレーからの手紙」(132)に書いた「七年を経て実を結んだ「ストックのビジネス」に思う」
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u132.html
が、ネット上にアップされました。

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「フローのビジネスとストックのビジネスはまったく違うものだ。ベンチャーキャピタルを始める以上、その違いを肝に銘じておかなければいけないよ」
 ファンド創設にあたって、投資銀行を営む人生の大先輩に言われたこの言葉を、私は七年の間に何度反芻(はんすう)したことだろう。彼の言葉の定義における「フローのビジネス」とは、案件ごと短期的に仕事のけりがつき、その都度報酬が入ってくる、成功や失敗が小刻みに確認できる事業のこと。一方「ストックのビジネス」とは、さまざまな努力を一つの大きな穴の中に放り込み続け、いつかその穴の中で化学変化が起き、何かが大きく噴き上がってくるのを待つような事業だ。その過程では、事業の成功も失敗も明らかにならず、仕事のけりもつかない。
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彼の言葉を身体で理解したのは、ネットバブル崩壊(二〇〇〇年末)、同時多発テロ(〇一年九月)、エンロン不正経理発覚から破綻(〇一年末)、ワールドコム破綻(〇二年七月)、そしてイラク戦争(〇三年三月から)へと、どこまで落ちていくのか先行きがまったく見えない米国の経済状況下で、何をやっても「こういう成果が出ました」と自信を持って言うことができない日々が続いていたときである。
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全文は、新潮社「フォーサイト」誌サイトでお読みください。