短編小説
休暇は続く。今日は7月4日でアメリカはお休み。あいかわらず本を読んでばかりいる。 「タタド」は同時代の短編小説の中では群を抜いて面白かった。 文芸誌に載っている多くの短編小説を読むとき、まず最初の一ページを読んで、さらに読みたいと思うかどうか…
久しぶりの休暇中。 他者の悪夢の中に迷い込んだよう。 「記憶がない。自分の名前がみつからない。手がかりはポケットの中のレシートだけ。スーパー、本屋、ロシア式サウナ・・・・・・。」 という帯の文章からは、主人公の「落とした名前」を探す物語が始ま…
本を読んでばかりいる。 「孔子」にとりかかる直前、著者最晩年の日常を綴ったもの。食道がん手術後、無意識のうちに何度も発していた言葉は家族によれば、 地獄はあの世にはない。若しあるとすれば、この世にある。 だったと言う。 それから三年という歳月…
映画とは無関係の作品。それぞれに問題を抱えた二十七歳の兄と十九歳の姉と暮らす十六歳のまともな僕。父親は失踪して不在。母親と、その家に入り浸る母の友達を加えた、五人の緊張感に満ちた日常が淡々と描かれる。 兄貴は僕に、すごく大事なことをお前に教…
怪物双生児の短いが強烈な印象を残す一人語り。若島正新訳でナボコフ作品を読むと何かまったく新しい「日本語による不思議な作品」と接しているような感想を持つ。 たとえば冒頭でいきなりどきっとして引き込まれてしまう文章。 東洋の薔薇とも、白頭翁アヘ…
構想に一年ほど時間をかけ、この三ヶ月はそれだけに集中して没頭していた大きな仕事が終わった。あとは微調整だけだ。なんか終わったら世界の色が違って見える。ずっと頭の中が泥の海を這いずり回っていたからだろう。 この「短編小説」というカテゴリーは、…
「河岸忘日抄」を読んでから、堀江敏幸の小説と評論と紀行とエッセイが一体になったような静謐な文章を、好んで読むようになった。 「河岸忘日抄」を読んでいた去年の今頃、「ぐずぐずして何もしないでいられる時間」 http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/200…
寡作な作家の、人生を凝縮したような短編が好きだ。 ダイベックもおそろしく寡作な作家。 スチュアート・ダイベック「冬のショパン」シカゴ育ち (白水Uブックス―海外小説の誘惑 (143))作者: スチュアート・ダイベック,柴田元幸出版社/メーカー: 白水社発売日…
去年の夏休み、ふと思い立って、短編小説を毎日読んでみようと思った。 長篇小説や短編集ではさすがに毎日一つずつは読めないけれど、短編小説を一つずつなら・・・。それがとてもいいアイデアのように思えた。「短編小説」というカテゴリーをこのブログに作…
松浦寿輝「植物園」半島作者: 松浦寿輝出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2004/07/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (24件) を見る第一章。「半島」という長篇(全六章)の第一章だが、章ごとに文芸誌に発表されたものなので、…
車谷長吉「武蔵丸」白痴群作者: 車谷長吉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2000/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (13件) を見る所収。
村上春樹「タイランド」神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/02/28メディア: 文庫購入: 22人 クリック: 427回この商品を含むブログ (355件) を見る所収。印象に残る人物:ニミット。印象に残る場所:山あい…
フォークナー「納屋は燃える」(Barn Burning)フォークナー短編集 (新潮文庫)作者: フォークナー,龍口直太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1955/12/19メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (17件) を見る所収。 原文(全文) http://w…
橋本治「ふらんだーすの犬」蝶のゆくえ作者: 橋本治出版社/メーカー: 集英社発売日: 2004/11/26メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (54件) を見る所収。必然、必然の連続で描かれる途轍もない不幸。 関連リンク http://book.asahi.com/rev…
ジュンパ・ラヒリ「三度目で最後の大陸」(The Third And Final Continent)停電の夜に (新潮文庫)作者: ジュンパラヒリ,Jhumpa Lahiri,小川高義出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/02/28メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 142回この商品を含むブログ (182…
エリアーデ「ホーニヒベルガー博士の秘密」エリアーデ幻想小説全集〈第1巻〉1936‐1955作者: ミルチャエリアーデ,Mircea Eliade,住谷春也,直野敦出版社/メーカー: 作品社発売日: 2003/07メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (19件) を見る所…
休みの日に早起きすると午前中が長くて本がたくさん読める。あの老人たちとメキシコ国境を越える怖い話はどの本に入っていた誰が書いた短編だっけなぁ。やっと見つかって再読。 ティム・オブライエンだったか。「ノガレス」(Nogales)月曜日は最悪だとみんな…
多和田葉子「ペルソナ」犬婿入り (講談社文庫)作者: 多和田葉子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/10/15メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (61件) を見る所収。印象に残った登場人物: 主人公・道子。日本人お手伝いに細かい指…
青木淳悟「クレーターのほとりで」四十日と四十夜のメルヘン作者: 青木淳悟出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/02/26メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 44回この商品を含むブログ (85件) を見る所収。印象に残った登場人物: ネアンデルタールの女たち。…
短編小説を一つずつならば毎日読めるかもしれない、とふと思った。 そして何だかそれが、とてもいいアイデアのように思えた。 いつまで続くかわからないが、一日一つずつ短編を読んで、ただ淡々と記録してみようと思う(感想は書かない)。初日はカフカ「変身…