講義には生命感が求められている

“ことば”の仕事

“ことば”の仕事

小熊英二インタビュー

何年間か教えてきてわかったことは、とくに学部の一年生などは、必ずしも講義の内容を聞いているのではないということ。(中略) じゃあ何を求めて講義に来ているかというと、ちょっとうまく表現するのが難しいですが、教室という場で<何かが起きている>ことを期待している。教師の言っていることが完全にはわからなくても、何か新しいことが言われているらしいぞ、新しい考えがこの場では湧き出ているようだぞという印象、ある種の生命感みたいなものを求めているらしいですね。