Rebuildingモードに入ったS.F. Giants

本格的にS.F. Giantsを応援するようになって初めて、S.F. Giantsは優勝争いから早々に脱落してしまった。6月中旬で首位まで8ゲーム差なので、机上の計算ではまだ追いつけるわけだが、今年のチームにはその勢いが全くない。
唯一のポジティブな変化は、若手にチャンスが巡ってきて、少しずつではあるが若手がそのチャンスを生かして成長していることだ。優勝争いをしているチームの場合、若手選手にとってレギュラー入りはおろかメジャーのベンチ入りも「狭き門」だ。それが今年は大きく広がった。Giantsファームの選手にとっては千載一遇のチャンスだ。
まずはペドロ・フェリス(1975年生)。
http://sports.yahoo.com/mlb/players/6578
サード、ファースト、外野とどこでもこなし、今年から完全にレギュラーに定着。相変わらずバッティングは粗いが、打点40を上げている。
最大の収穫は、Spring Trainingから好調で「一番・センター」のポジションを確保して、6月に入っても相変わらず3割をキープしているジェイソン・エリソン(1978年生)。
http://sports.yahoo.com/mlb/players/7135
次に、ベニテスの故障とブルペン崩壊でクローザーに任命された速球派のタイラー・ウォーカー。(1976年生)
http://sports.yahoo.com/mlb/players/6823
そして、内野の控えでチャンスは回ってこないかに思われていたが、シーズン前半に長打力をアピールしたランス・ニークロ(1979年生)。
http://sports.yahoo.com/mlb/players/7234
往年の名投手ジョー・ニークロの息子で、殿堂入りした300勝投手フィル・ニークロの甥だ(ニークロ兄弟は二人で539勝している:兄弟でのメジャー歴代最多勝)。つい最近、レギュラー一塁手スノーは監督に呼ばれ、これからはニークロを使っていくと通告されたそうだ。少ない打席にもかかわらず既にホームランも8本。将来の四番候補だ。
加えて、今日の試合で、負けはしたが勝ち越しのスリーランホームランを打った外野手トッド・リンデン(1980年生)。
http://sports.yahoo.com/mlb/players/7075
そして、普通の年だったら絶対にメジャーデビューできなかったはずの外野手アダム・シャバラ(1978年生)、
http://sports.yahoo.com/mlb/players/7438
そしてブルペンのスコット・マンター(1980年生)
http://sports.yahoo.com/mlb/players/7530
とジャック・タシュナー(1978年生)。
http://sports.yahoo.com/mlb/players/7573
ローテーションには、去年から少しずつ実績を上げているノア・ラウリー(1980年生)
http://sports.yahoo.com/mlb/players/7226
と、怪我から復活したエース候補のジェシー・フォパート(1980年生)。
http://sports.yahoo.com/mlb/players/7074
今年は7月末までのトレード・デッドラインで、今年の優勝を狙うチームにベテラン高給選手をできるだけ放出し、見返りに有望な若手をたくさん獲得してほしい。
今年は楽しみ方をがらりと変えて、Rebuildingモードに入ったS.F. Giantsの若手の成長を観ることに専念しよう。どんな名選手にも若手時代がある。彼等が活躍して2006年か2007年に優勝したら、きっと喜びもひとしおに違いない。

工場萌え

磯崎さんのBlog「工場萌え」
http://www.tez.com/blog/archives/000475.html
が面白い。

世の中には2種類の人間しかいない。工場好きな人間と、そうでない人間だ。
私は前者。うちの奥さんは「考えらんなーい」というタイプ。

僕は工学部なんぞを出ながら、磯崎さんの奥様と同じ「考えらんなーい」タイプ。
「工場萌え」という言葉こそ今日初めて聞いたけれど、その言葉を使って言えば、僕は昔から「日本人には他民族よりも「工場萌え」人が圧倒的に多いんじゃないか」説を、半分冗談ではあるが、となえ続けてきたのだ。
仕事で付き合う日本の製造業幹部には、かなりの確率で隠れ「工場萌え」人が多い。
工場を作ること、動かすこと、どんどんモノを生産すること、巨大ビルを建てること、巨大プラントを興すこと、そういうこと自身が「工場萌え」人たちの快感なのである。
隠れ「工場萌え」人は、「工場のことになると急に論理的でなくなる」のですぐわかる(もちろん半分冗談)。
磯崎さんのBlogからのリンクで知った「工場萌えな日々」
http://d.hatena.ne.jp/wami/
も面白い。工場よりも、僕にとっては圧倒的に人間のほうが面白い、という意味で。
追記: これを読んだ妻が、「私、けっこう工場萌えかもしれない」と言った。結婚して15年もたつのにそんなこと知らなかったよ。

チープ革命の連続: Googleの次は、そしてその次は?

「ウェブ社会[本当の大変化]はこれから始まる」
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20050617/p1
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u105.html
はいろいろなところで言及していただき有難い。賛否はともかく何であれ反応があるというのは嬉しいものである。この原稿は5月初旬に書き、5月中旬発売の「フォーサイト」誌に掲載され、一ヶ月遅れ(次の号が発売されたのを期に)で新潮社サイトにアップされたもの。
本稿の場合は、通常の同誌連載とは違い巻頭に掲載されたということもあり、珍しく雑誌読者からの直接反応も少なくなかった。でもネットはやはりよりダイレクトな反応がたくさんあって面白い。
その中から「Ringo's Weblog」の「チープ革命の連続」
http://www.ce-lab.net/ringo/archives/2005/06/19/index.html#a000042
をご紹介しよう。チープ革命は今回で終わりじゃない。これからも十年・二十年周期で必ず大きなパラダイムシフトが起きるはずだ。ならば次は何? その次は何? そういうテーマで書かれたものだ。
Ringo氏によれば、次は「世界レベルの分散検索エンジン」(2025年)だ。

次のチープ革命があるとすれば、あまりにも野心的すぎて、多くのハッカーが口にしなくなってしまったが、本当は心のなかにずっと温められている、「世界レベルの分散検索エンジン」だ。中央サーバーを必要とせず、SPAM行為に対しても耐性をもつ、非常にリアルタイム性の高い、情報の作成と配布とも組みあわさった、自分の力で増植していく、グーグルの置きかえができるツールだ。(略)
私の直感では、このチープ革命が起こるためには、テラバイトクラスの物理メモリと、10Gbpsぐらいの常時接続通信と、ペタバイトクラスの外部記憶装置と、現在の10倍ぐらい速いCPUが、世界中の人に行きわたることが必要だ。20年後のチープ革命の内容はきっとこれだろう。

そしてその次は「神経接続web全体の分散検索」(2045年)だ。

2025年ごろは、ちょうどwebへの初歩的な神経接続が実現する頃である。神経接続が実現したら、webに流れこむ情報の量は、おそらく3ケタ以上のオーダーで跳ねあがる。そのころまでに作られたセンサーネットワークからも大量の情報が入るだろう。光の速度には限界があるので、この情報量をうまく処理するために、やはり今度は、狭い場所に大量のチープなデバイスを集積した次なるグーグルがあらわれる必要が生じる。これが2035年ごろである。
2045年ごろ、デバイスがさらにチープになって、神経接続web全体を分散検索できるようになり、この時点でのグーグルはまたもや置きかえられる。

さてその次は何? ぜひ「Ringo's Weblog」の「チープ革命の連続」をどうぞお読みください。
さて一昨日の「これからの10年飲み会」で参加者の一人から、このダイアリーのカテゴリーになぜ「長寿」が入っているのかという質問があった。僕は今年8月で45歳になるが、実はその倍の90歳まで、何とか頭がクリアな状態を維持して、世界がどういうふうに変わっていくのかを見たいのである。特別変なことをしてまで・・・とは全く思わないけれど、ごく普通にできる努力は精一杯して、長生きしたいと思っているのだ。
90歳とは2050年。その頃は「神経接続web全体の分散検索」の時代ですか。2025年頃の「神経接続」を、65歳になっている僕はどう受容し乗り越えていけるのだろうか。精神の若さをどれだけ維持していられるかがカギだな。こればっかりは、70歳を過ぎても子供のような好奇心を持ち続けている師匠のゴードン・ベルを見習わなくちゃいけない。