いつもの三倍の文章を書くには

フォーサイト誌の連載「シリコンバレーからの手紙」は次号で105回目。9年目に入っているがまだ一回も休んでいない。1ページのコラムなので枚数は1,800字から2,000字の間。400字詰め原稿用紙で4-5枚である。思えば、日経ビジネスの連載もプレジデントの書評も産経新聞の「正論」もだいたい皆同じ長さ。そんな長さのものばかり書いてきたので、「締め切りの前日に朝起きて机に向かえば、何とかその日のうちには、その長さの原稿なら書ける」身体ができあがった。ところが次号の依頼は、「シリコンバレーからの手紙」特別篇で巻頭に掲載とのこと。写真なども含めた4ページ。文章はいつもの三倍の長さ(5,400字)である。
僕の場合、仕事のスタイルというかフォームが決まらないと何もできないタイプなので、内容ではなく、書くスタイルのほうばかりずっと考えていた。大きなテーマを選んで一気に書くのは、その長さだと何だか自信がない。どうしたらいいかな。
コロンブスの卵」的発見だが、そうか三回に分ければいいのかと閃いた。書くテーマを三部構成にし、4-5枚で完結のコラムを一日に一つずつ書けばいいんだな。仮に早く書き終っても、一日にそれ以上は書かないと決めた。それで締め切り三日前の金曜日に3分の1、土曜日に3分の1、日曜日に最後の3分の1と全体調整。
それでめでたく、日本の月曜日朝の締め切りに間に合いました。