ヤンキースの憂鬱

昨年10月の興奮を再びというわけで、メジャーはヤンキースレッドソックス三連戦で開幕。昨年ALCSの屈辱「ポストシーズン史上初の3連勝後の4連敗」を晴らすため、ヤンキースはオフに球界のエース、左腕ランディ・ジョンソンを獲得し、ラインナップも控え選手も、これ以上望めないほど充実させた。とにかくカネがかかったおそろしく強いチームになったことは誰も否定できない。相手先発投手にとっては、ヤンキースの一番ジーターから九番ウォーマックまで全く気が抜けず、5回を投げきると他チーム相手に7回投げたくらいの消耗になる。寒中、雨降る中で行われた第一戦は、ランディ・ジョンソンヤンキース打線の投打がきっちり噛み合ったヤンキースの試合。
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こういう試合は負けたほうもダメージが残らない。
そして昨日の第二戦、今日の第三戦は、1勝1敗で分けたわけであるが、勢いからいくとヤンキースが3連勝しなければいけなかった。
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それだけ圧倒的に押していたのに、守護神マリアノ・リベラが2試合ともリードを守りきれなかったのは、ここ5-6年のヤンキースにとっての異変である。8回までリードしていた試合のヤンキースの勝率は、リベラがクローザーになってからもの凄い。そこがヤンキースの強さの源泉。それだけに昨年オフはブルペンへのてこ入れはあまりしていないヤンキースである。
それが昨日はセーブ目前で、ジェイソン・ベリテックにホームランを浴びて同点にされた(裏にジータがサヨナラホームランを打ったので勝つには勝った)。そして今日も9回にセーブ目前で、A-Rodのエラーもあったけれど四球と連打で逆転された。こんなに悪いリベラは見たことがない。このまま不調が続けば、ヤンキースには大きな誤算と言える。
一方、レッドソックスにとっての朗報は、今年もブルペンがいい仕事をしそうだということだろう。フォールクも第二戦にジーターにホームランを打たれたが、それは8回からの登板で思いがけなく第2イニングに入った状態での一発だったし、いちばん大切な第二戦の8回と第三戦の9回は零点にきっちりと丸々1イニングずつ押さえている。フォールクに加えて、ティムリン、エンブリー、マイヤーズ。そして今年からハラーマとマンタイが加わった。特にここ数年怪我でシーズンを棒に振ってきたマット・マンタイが、95-96マイルの速球を投げていたから、マンタイが復活すれば、もともとはクローザーの器の投手であるから、トータルで見て、ヤンキース以上のブルペンになる。
ヤンキースレッドソックスは、ポストシーズンへ行くのが当たり前のチームであるから、すべての勝負の意味はポストシーズンにつながっていく。ヤンキースレッドソックスの直接対決は全部で19試合あるが、
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20050102/p1
この最初の3試合は2勝1敗とヤンキースが勝ち越しはしたものの、レッドソックスにとっての後味がよりよく、ヤンキースにはやや憂鬱な感じが残った。