アップルはフルラインのコンシューマ・エレクトロニクス・メーカーを目指すのか?

Business 2.0誌のカバーストーリー「What's Next for Apple? 」
http://www.business2.com/b2/web/articles/0,17863,1037197,00.html
が面白い。
「アップルがこれからどこに向かっていくのか」については、誰でも議論に参加しやすい話題でもあることから、シリコンバレーのランチでは何かと話題になる今日この頃である。グーグルがどこに向かうのかなんていうインターネットの「あちら側」の話は難しいけれど、やっぱり「こちら側」の話のほうが理解しやすいからね。

「クールな場所」から「強い会社」にアップルは変身できるか

秘密主義で知られるジョブズなので、この記事も憶測だと言ってしまえばそうだが、そこそこの真実も含まれているのではないか。

Discussions with past and present company officials, Apple partners, and longtime acquaintances of Jobs, as well as clues in patent applications and other evidence, point to a gargantuan effort to leverage the iPod's success by creating an entire line of breakout consumer electronics devices. Dozens of gadgets -- from an iPod phone to wireless iPods that talk to one another to the ultimate all-in-one home-cum-car media hub -- appear to be on the drawing board or, in some cases, already in prototype.

iPodの成功をテコにアップルはフルラインのコンシューマ・エレクトロニクス・デバイス・メーカーになろうとしているんだよ、という話である。
いよいよソニーをはじめとする日本メーカーとの本当の熾烈な戦いがこれから始まるのかもしれない。

For the first time in more than a decade, Apple has a chance to become a commercially powerful company -- not just a very cool place with a superstar CEO and brilliant designers, but a leader in new markets that are exponentially bigger than the very computer industry it pioneered.

アップルはこれで初めて、「スーパースターCEOと凄いデザイナーが居るクールな場所」を脱却して、「a commercially powerful company」になれるかもしれないというわけだ。
むろん過去からそういうチャンスのすべてを逃してきたアップルなので、今回も「iPod以降は皆こける」という可能性はもちろんあって、そのあたりが洋の東西を問わず存在する「判官びいき」的気分を刺激し、人々が何か一言言いたくなる。そこがアップルの不思議な魅力だ。

アップルが手がけるかもしれない新製品

この記事はウェブ上で6ページにわたっているが、3ページ目から、アップルが手がけるかもしれない5つの新製品とその可能性(製品化確率の予想)が列挙されている。

  • Wireless iPod (ほぼ確実)
  • vPod (75%)
  • iHome(70%)
  • iPod on Wheels (60%)
  • iPhone (50%)

これらがどんな内容のものなのか、記事に書かれた内容を読んで、自由な想像を加えて、もし何か面白いことを考えた方がいれば、ぜひトラックバックかコメントをどうぞ。コメントは、はてなユーザでなくても書き込めるようにしてあります。
CNET Japan連載当時から、日本はインターネットの「こちら側」つまりデバイス側、ユーザに密着した部分でのイノベーションに専念、米国はグーグルやネット列強に代表される「あちら側」に専念、というようなアバウトな見取り図を提示してきたわけだが、アップルの今後の展開次第によっては、その構図も見直していかなければならないなと思う。