若島正「乱視読者の新冒険」

乱視読者の新冒険

要するに、わたしは約束事の決まっている探偵小説の読み方なら知っていたが、なんのルールもない普通の小説はどう読んだらいいのかまだ知らなかったのだ。今のわたしだと、探偵小説を読むように普通の小説も読めばいいとわかっている。つまり、小さな細部が大きな意味を持つ可能性を秘めているということを知っている。「天花粉」に魅せられたように、一つの言葉に心奪われるのが小説の読み方だと知っている。(p6)

わたしのアイデンティティというものが仮にあるとするなら、それはわたしの眼に映るこうした無数の作家たち、そして彼らが描いた無数の登場人物たちのアマルガムによって成り立っている。それはわたしにとって、べつに悲しむべき自我の喪失でもなんでもない。読書というものは、本質的にそのようなものだと思うからだ。読書のたびに、わたしの自我は知らないうちに更新されていく。それは、知識を蓄えたり成熟したりするということとはまったく無縁だ。そこにはただ、不断の更新があるだけなのである。(p221)

「コンテンツ消滅」とリアル経済活動onオンラインゲーム世界

コンテンツ消滅 音楽・ゲーム・アニメ ペーパーバックス
第2章「Where are Game Software Creators?」のなかの「オンライン・ゲーム上の「財産」売買が始まった」(p140)
韓国・中国がオンラインゲームで先行する理由は、海賊版横行ゆえに従来型ソフトウェア事業が成立しないからそこが発展せず、開発投資がオンラインゲームに向かったからとのこと。面白い。

Wired-J 4/7/04 ゲーム世界のアイテムを扱う市場が拡大
Wired 4/7/04 When Play Money Becomes Real
IGE, The Leading MMORPG Services Company
Wired-J 8/24/04 オンラインゲームのアイテム収集に「下請け労働者」が出現
Wired-J 4/16/04 オンラインゲーム世界のアイテム販売、惜しくも目標額に届かず
Wired-J 1/23/04 仮想通貨の為替市場サイトで現実世界の金儲け
Wired-J 8/8/03 オンライン・ゲームを支える「仮想世界での経済活動」
Wired-J 11/6/02 リアルな経済活動が生まれつつあるオンラインゲームの世界
Wired-J 5/24/02 RPGゲームで「本物の百万長者」をめざす人々(上)
Wired-J 5/31/02 RPGゲームで「本物の百万長者」をめざす人々(下)
Wired-J 10/1/01 ゲームキャラや装備を売って荒稼ぎ(上)
Wired-J 10/1/01 ゲームキャラや装備を売って荒稼ぎ(下)
CNET Japan 9/8/03 ラリー・プロブスト(エレクトロニック・アーツ会長兼CEO)インタビュー

ゲーム自体には無料でアクセスし、ゲームのなかで使うもの、たとえば家、家具、クルマ、洋服といったような個々のアイテムにマイクロ課金するというやり方も可能です。

The Success of Open Source

The Success of Open Source
CNET Japan 5/18/04 政治学者から見たオープンソース成功の秘密

YAMADAS現更新履歴 8/23/04 Technical Knockoutに『The Success of Open Source』書評を追加。Joshua Daniel Franklin の文章の日本語訳です

『The Success of Open Source』書評 著者: Joshua Daniel Franklin 日本語訳: yomoyomo
http://www.yamdas.org/column/technique/review_soosj.html
http://books.slashdot.org/books/04/05/15/1446232.shtml (原文)

『The Success of Open Source』は、研究対象としてオープンソースコミュニティを中心に扱うはじめての学術書である。

と、この書評は本書を評する。
第8章が結論部分なのであるが、書評でもこう取り上げている。

彼は、自分の研究を、トヨタの生産手法を扱った『リーン生産方式が、世界の自動車産業をこう変える』になぞらえる(224ページ)。

その本は、二つの単純ながら奥の深い主張を行っている。つまり、トヨタの「システム」は車そのものではなく、日本人特有のものでもない。本書との類似は明らかである。オープンソースはソフトウェアそのものではなく、ハッカー集団特有のものでもない。

この「リーン生産方式が、世界の自動車産業をこう変える」という本の原書タイトルは「The Machine that Changed the World」。本書の第8章はそれになぞらえて「The Code that Changed the World?」となっている。引用部の原文は、

That book made two simple and profound points: The Toyota "system" was not a car, and it was not uniquely Japanese. The parallels are obvious. Open source is not a piece of software, and it is not unique to a group of hackers.

で、そのあとに本ではこんな文章が続く。

Open Source is a way of organizing production, of making things jointly. The Baseline problem is that it is not easy for human beings to work together and certainly not to produce complex integrated systems.

書評の中で、

本の後半になると、Weber は自身の専門分野である政治経済学の見地からのオープンソースの解説に話を進める。彼はオープンソースのプロセスを、二つの大まかな原則でとらえている。それは、個人のモチベーションや共有財の経済的論理を含む「ミクロ基礎」と、調整や複雑さの問題を解決する「マクロ組織」である(133ページ)。どの読者もこれらの章における専門用語のニュアンスを全部把握できるかは疑問だが、ありがたいことに Weber は、専門用語の使用は控えめにして、全般的な議論を明快で分かりやすいロジックで書いてくれている。
この部分には、『The Success of Open Source』において最も洞察に満ちた意見も含まれている。

とあるが、それが第5章「Explaining Open Source: Microfoundation」と第6章「Explaining Open Source: Macro-Organization」である。

YahooとGoogle

Silicon Valley Watcher 12/10/04 FT columnist Tom Foremski and team reporting on the business of Silicon Valley
Stuff you didn’t know about Google—a report from the Googleplex Xmas party

Jeremy Zawondny's blog 12/10/04 Tom Foremski on Google and Yahoo Culture
It's interesting that Tom wrote this today--the day I got to meet him in person

John Battelle's Searchblog 12/10/04 Google vs Yahoo
Friday Sketching: Tangential Ramblings on the Roles of Google and Yahoo in Search, Media and Beyond

John Battelle's Searchblog 12/10/04 Google vs Yahoo (2)
More On Google, Yahoo, Media, Technology

A VC 12/14/04 Yahoo! vs. Google
http://avc.blogs.com/a_vc/2004/12/yahoo_vs_google.html

He attempts to dig into their core DNA and understand what makes each of them unique and different. He also tries to divine where each of them may be headed.