IT最先端文化が一般に広く伝播するインパクト

Danさんからトラックバックあり。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50428609.html

今更衝撃を受けていることが私にとっては衝撃だ

本欄も「ウェブ進化論」も含め僕が書くものに対して、こういう感想を持つ人がけっこう多いので、僕の関心がどういうところにあるかを改めて簡単に書いておこうと思う。
僕が今いちばん面白いと感じている事は、IT最先端世界では当たり前だが限定的だった特殊な文化や習慣や発想や考え方が、「物心ついたときにネットの存在は当たり前」として育った世代においては、ハッカーとか技術系のほんの一部の人たちに限らず、ごくごく普通の人たちにまで広く伝播し、そうなったときに社会全体に及ぼすインパクトがおそろしく大きくなる、ということである。マーケティング用語でいえば、IT最先端文化が「キャズム」を超えたとき社会全体に何が起きるのかの思考実験、とでも言うのだろうか。
Danさんの議論で言えば、Perl Community等のハッカー世界では昔から当たり前だった文化・習慣・発想・考え方が、丸ごとではなくとも、さまざまな変形を経てかもしれないけれど、ごくごく普通の人たち(昨日のテーマでは「アメリカの大学生」の上のほうの連中全般)にまで伝播し吸収された結果新しい文化を生む、しかもそういう伝播・吸収のルーツがIT最先端文化にある、ということ自身すら意識されない状況。
そういう状況になってはじめて、社会全体に及ぼすインパクトが大きくなる。
「そのインパクトって何なのだろう」ということを考えるのが面白い、というのが僕の関心領域である。