激しく動く米ネット世界、でも日本は・・・・
今まとまった仕事にかかりきりで、本欄の更新があまりできないのだが(12月頃から再びこの流れをきちんと追っていく)、米ネット世界の動きが激しい。特にGoogleの動きは急だ。やっぱりこの会社は恐ろしい。Googleに刺激され、シリコンバレー近隣のネット列強Yahoo, eBayの危機感・緊張感は、否が応でも高まっている。加えてオライリーをはじめとする論客による「Web 2.0」つまりネットの次世代ビジョン仮説に関する理論武装も固まってきたことで、ネット周辺でのベンチャー投資意欲、ベンチャー起業意欲も久しぶりに高まりを見せている。ブログ上での真剣な議論も続き、質の高い内容のエントリーもまた増えてきている。
そしてふと日本を眺めれば、かろうじてブログの世界やほんのわずかのギークたちだけは、こうした最先端の動きとシンクロしているが、日本のネット列強たるヤフー・ジャパンや楽天は完全に「Web 1.0」のまま不動で「Web 2.0」方向へと戦略展開していく気配は全くない。まぁ、日本のネット列強は、テクノロジーに興味のないビジネス指向性の強いネット列強だから、それも仕方ないのかもしれない。楽天のTBSへの関心はそのことをよくあらわしている。別に楽天という会社がどういう方向に向かおうが個別企業の戦略であって産業全体では別にどうでもいいのだが、日本のネット列強の中に一社も、ネット進化の新しい方向性を体現する戦略を取ってやろうという会社がいないのが寂しい。
むろん日本の大手IT企業のネットへの無関心は相変わらず。そして、日経の一面企画連載「ネットと文明」を読めば、またまたネガティブな話ばかり。結局、日経の読者がこういうものが読みたいから、こういう角度の記事になるわけだ。そう思うと改めてため息が出る。
このままあと数年たつとどうなるんだろうか。日米のネット世界の姿はずいぶん違うものへと進化していくような気がする。日本のインフラだけは本当に凄いのだけれど・・・・