韓国の「ペイン」

日経衛星版 1/30/05 韓国の「オタク」=ペイン、ドラマ人気左右

 ペインは「廃人」のハングル読み。もともと食事や仕事もせずネットやゲームに没頭する若者の否定的な呼称だったが、今やニュアンスは変わった。コンテンツ(情報の内容)にまで積極関与し、メディア側も無視できない存在。ペインをテーマに情報誌を発行するネット関連企業の李廷敏社長は「ただドラマが好きなファンと違い、番組に影響力を行使しようと積極的に活動する行動的な人たちだ」と定義する。ペインは老若男女に関係なく、いつもはごく普通の日常生活を送るが、ネット上で抜群の情報収集力を持ち、大抵は単独で活動する。カフェと呼ばれるネット上の同好会で特定のドラマに関して自由に意見交換している。参加者が創作したドラマの仮想新聞や雑誌、登場人物のパロディー写真などが人気を博すと、次々に個人ホームページへ転載され、爆発的に広がっていく。(略)
 ペインの影響力が増すほど制作側は「ペインの関心を集めるのが視聴率アップの早道」(テレビ局関係者)とコントロールしようとするが、李社長は「ペインが一番嫌うのは情報操作。すぐに制作側の意図を見抜いて不正を暴露するから逆効果だ」と笑う。