iPodの背面ボディー製作

日経 1/31/05 本合邦彦さん

 デザイナーがこだわったという鏡のようなステンレス製の背面ボディーが、洋食器の街として知られる新潟県燕市で作られていることを知る人は少ないだろう。東陽理化学研究所社長の本合邦彦さん(59)のもとへ、アップル本社の開発担当者が訪ねてきたのは五年ほど前。加工が難しいチタンの精密加工で世界トップクラスといわれる同社の技術力を、アップル復活の切り札に生かすのが狙いだった。(略)
 デザイナーの力が強いアップルからの厳しい要求にも、きっちりとこたえる高い技術力があってこその“蜜月”関係だ。五十五年前、洋食器の表面処理からスタートした同社は、この十年間で中国との価格競争に苦しむ魔法瓶メーカーから、隠れた優良IT(情報技術)関連企業へとその姿を大きく変えた。