羽生さんの日経元旦対談が深いなぁ

  • 将棋は現行ルールになる過程で盤の升目も駒の力も小さくし、純度の高いものを残した。俳句・短歌同様、直接的表現ではなく行間に万感を込める。日本文化の神髄ではないか。
  • チェスは将棋に比べてダイナミックで直接的。力と力のぶつかりあい。将棋は微細な違いが大きな違いになるところが面白い。
  • 一局の中で、全く関係ないと思っていた端歩や、詰みに関係なさそうな隅の駒が成るか成らないかの判断が、最後に命運を決することがある。最後まで読み切るのは終局前の15-20手くらいなので、何十手も前の局面ではその判断はできない。よって経験則で選択するしかない。
  • 将棋は悪手を指すと局面がより複雑になる。だから悪手は悪手を呼ぶ。プロがミスしないのは、ミスしにくい局面を選択しているから。
  • 将棋には定跡があり、一つの場面に選択肢は多くない。しかし10回、20回とちょっとした違いを積み重ねると大きな違いになる。それが個性の表現だ。
  • 小さな違いの中から何を選択するかというところに人固有の共通項がある。それが個性だ。
  • 「秩序ある展開」が好きで、指し手を決めるとき、こう来たら次はこの手しかないだろう、という流れを好んで指す。
  • 本当に見たこともない新手は先入観をすべて捨てて考えないと出ない。羞恥心を捨てないといけない。