松井彰彦 市場(スーク)の中の女の子

市場(スーク)の中の女の子
日経 11/21/04 「市場の中の女の子」、松井彰彦氏――童話風に読ませる経済書(あとがきのあと)

「もともとファンタジーを書きたかったが、私にそんな注文は絶対こない。そこで一般向けの解説書を書いて欲しいとの誘いに飛びついて強引にこの本を書き上げた」と明かす。一カ月後、完成した原稿を見て、担当編集者は目を丸くしたという。
 「妻がモデル」という読書好きの少女が主人公だ。十四世紀のベネチアや「千夜一夜物語」さながらのアラビア世界に迷い込み、様々な問題にぶつかりながら経済の仕組みを学んでいく。舞台の多くはアラビア語で市場を意味する「スーク」。「かつて中東で訪れた活気に満ちた市場を思い出し、そのまま本のタイトルにした」

少年時代からという筋金入りの宮沢賢治ファン。
今回も手本になったのは賢治の本だという。
「彼の社会風刺が好き。ああいうものを書くことが今の夢」。