<5/1> 深浦康市八段インタビュー(日経)より
http://hobby.nikkei.co.jp/shogi/kaiken/
「現在の将棋界では確かに、事前の研究がかなりのウエートを占めています。戦型によっては、事前の研究で100%近く勝負が決まってしまうことも事実です。ただ、そればっかりでは棋士らしくないと思っています。事前の研究に頼ってしまうと、対局中に考える力が衰えてしまいますから。勝とうとする意欲も失われかねません。仮に目の前の勝負で結果を出せたとしても、40代、50代になった時に厳しくなってしまいます。」
「今のトップ棋士は学者とスポーツ選手を掛け合わせたような存在だと思います。谷川さんにしても羽生さんにしても、最新型の研究もしていますが、実戦の中でも細かく時間を使っています。研究済みの局面、分かっている局面でも、改めて時間を使って見直している。こうした積み重ねが、先を見通すことにもつながり、自分の将棋を進化させるのだと思います。」
「このごろ「美しい将棋」を指していないなと思って、三間飛車を選んでみました。三間飛車では、5七銀から4六銀と上がる形が美しいなと思います。四間飛車は定跡化が進みすぎているし、結局は居飛車のような戦い方になるので、あまり食指が動きません。」
「絶対的に強い棋士というのは、鏡のような存在だと思います。自分が最高の手を指せば、相手も厳しい手を返してきてくれます。(2冠に後退したとはいえ)羽生さんは今でも最強の棋士だと思っています。」