ジャックの食欲
昨日はジャックにパンを食べられてしまった話をしたが、ジャックは生後七週間で我が家にやってきて以来、目の前に出された食べ物を残したことが一度もない(厳密に言うと、一度だけあったが、そのときは感染症でまもなく入院するほど具合が悪かった)。
つまり十年半、すべての食事を一気食いしてきた奴である。
「はてな社員を焼肉屋に連れて行ったとき」みたいなことが、生まれて以来毎食続いている人生(犬生)である。うちにはジャックしか犬はいないんだから、はてな社員と違って「食べないと誰かに食べられてしまう」ということもないんだけどね。
だから犬とはそういうものなんだと勝手に思っていたら、しなもんは、食べたくないときは食べずに残しておいて、また食べたいときに食べるんだねぇ、とこの間思った。
ジャックの食欲は特別なんだろうな。
ジャックがまだ二歳くらいの頃、妻が夕食に「味噌つくね」を作っていたら、つまり焼く前の生の挽肉の塊に味噌味をつけたりしたやつですね、ちょっと目を離したすきに、20個か30個かペロッと生のまま全部食べてしまって、僕らの夕食がなくなっちゃった、ということがありました。
ハロウィンで飾っておいたかぼちゃが、朝起きてたら、「へた」だけになって落ちていた、ということもありました。これはけっこう笑った。かちかちに硬いかぼちゃに挑んだからには、「へた」も食えよ、せっかくなら、贅沢な奴だなぁって。
でも極めつけは、あるとき、突然ジャックがぜんぜん歩けなくなってしまって、妻と二人で、どうしよう、何が起きたんだろうとパニックになったことだったなぁ。
しばらくたって原因判明。
その前の晩、友人が泊まりに来たときにウィスキーのつまみに出したマカデミア・ナッツは、ちょっと目を離したすきに、じつはジャックが全部飲み込んでいたんだってことが発覚。僕はてっきり、その友人が酔っ払って全部ナッツを食べたと思っていたんだよね。
大量のナッツを噛まずに丸呑みしたもんだから、腹の中で詰まって便秘状態になって、動くと腹が痛くて歩けなくなってしまったんだったよなぁ。じっとしている間に少しずつ消化が進んで、苦しそうにやっと便が出たときには、マカデミア・ナッツの原形がごつごつと混じっていたもんね。それが出たあとは元気いっぱいになって、またすぐに食事を一気食いしてました。
ドーナツ三個くらいをビニール袋もろとも食ったこともあるし、というわけで、コメント欄でご心配いただいてどうもありがとうございました。たぶん大丈夫です。