今年は本が出ます。「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」(梅田望夫著 ちくま新書)

四年半ぶりに本を書きました(2月7日発売)。新書は初めてです。
256ページと分量的には単行本のボリュームがありますが、777円(本体740円)と安いのが新書のいいところ。できるだけ多くの人に読んでほしいと思っています。アマゾン、紀伊国屋等のネット書店では予約受付中です。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

去年の後半、本欄の更新がほとんどできなかった時期がありましたが、そのときにしていた仕事はこの本を書くことでした。ここ数年考えてきたことをまとめようという試みなので、書くべき構成要素(都度発表してきた文章、思考の断片)には事欠きませんでしたが、一冊の本へと構造化するには、ほぼ書き下ろしに近い丹念な執筆作業を、かなり長期にわたって集中して続けなければなりませんでした。
以下、筑摩書房からの本書紹介文と、目次で見る本書の構造です。

インターネットが登場して10年。いま、IT関連コストの劇的な低下=「チープ革命」と検索技術の革新により、ネット社会が地殻変動を起こし、リアル世界との関係にも大きな変化が生じている。ネット参加者の急増とグーグルが牽引する検索技術の進化は、旧来の権威をつきくずし、「知」の秩序を再編成しつつある。そして、ネット上にたまった富の再分配による全く新しい経済圏も生まれてきている。このウェブ時代をどう生きるか。ブログ、ロングテールWeb2.0などの新現象を読み解きながら、大変化の本質をとらえ、変化に創造的・積極的に対処する知恵を説く、待望の書。

【目次】

序章  ウェブ社会――本当の大変化はこれから始まる  
第一章 「革命」であることの真の意味
第二章  グーグル――知の世界を再編成する
(1) グーグルの実現する民主主義
(2) インターネットの「あちら側」の情報発電所
(3) グーグルの本質は新時代のコンピュータ・メーカー
(4) アドセンス――新しい富の分配メカニズム
(5) グーグルの組織マネジメント
(6) ヤフーとグーグルはどこがちがうのか 
第三章 ロングテールWeb 2.0 
(1)「ロングテール現象」とは何か
(2) アマゾン島からアマゾン経済圏へ
(3) Web 2.0ウェブサービス・API公開
第四章 ブログと総表現社会 
(1) ブログとは何か
(2) 総表現社会の三層構造
(3) 玉石混交問題の解決と自動秩序形成
(4) 組織と個とブログ
第五章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
(1) オープンソース現象とその限界
(2) ネットで信頼に足る百科事典は作れるか
(3) Wisdom of Crowds 
第六章 ウェブ進化は世代交代によって
(1) インターネットの普及がもたらした学習の高速道路と大渋滞
(2)不特定多数無限大への信頼
終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち