青木昌彦
ではシリコンバレー・モデルは終ったのだろうか。私は、このモデルの基本は、不確実性の高い研究開発において、複数の企業を競争させ、その中から勝者を選択していくトーナメントのメカニズムにあると見る。金融のオプション理論によると、開発の不確実性が高ければ高いほど、無駄はあっても、より多数の企業を争わせた方がよい。将来にオプション(選択肢)を残せるからである。
しかしドット・コム産業にはあれほどの数の株式公開を合理化するほどの開発上の不確実性があったか、疑問だ。(略)
eコマースはそんな具合だが、開発に時間がかかる領域では、モデルの有効性は続くだろう。(p197)
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