青木昌彦

移りゆくこの十年 動かぬ視点 (日経ビジネス人文庫)

ではシリコンバレー・モデルは終ったのだろうか。私は、このモデルの基本は、不確実性の高い研究開発において、複数の企業を競争させ、その中から勝者を選択していくトーナメントのメカニズムにあると見る。金融のオプション理論によると、開発の不確実性が高ければ高いほど、無駄はあっても、より多数の企業を争わせた方がよい。将来にオプション(選択肢)を残せるからである。
しかしドット・コム産業にはあれほどの数の株式公開を合理化するほどの開発上の不確実性があったか、疑問だ。(略)
eコマースはそんな具合だが、開発に時間がかかる領域では、モデルの有効性は続くだろう。(p197)

比較制度分析に向けて 新装版 (叢書≪制度を考える≫)

比較制度分析に向けて 新装版 (叢書≪制度を考える≫)

第14章「シリコンバレー・モデルの制度的革新性」(p377-409)
転換期の東アジアと日本企業

転換期の東アジアと日本企業

第9章「シリコンバレーと台湾新竹コネクション」(アナリー・サクセニアン)(p311-354)
http://www.sims.berkeley.edu/~anno/papers/index.html
http://www.sims.berkeley.edu/~anno/books/index.html