産経新聞 1/1/05 もっと本を読もうよ 詩人・谷川俊太郎さんに聞く

僕は、詩というのは基本的に何もない荒れ地から書き始めるものだと思い込んでいる。調べて詩を書くことはほとんどない。生きていれば、意識下にたまっているものがたくさん、ごちゃごちゃしたカオスみたいなものになっている。言葉はそこから出てこないとダメだと思っています。そうやって書いた言葉を読者が読んで何か感じてくれて、社会と回路ができてつながることが、僕の生きがいです。読者が読んでくれる行為は、自分のひとつの生存の根拠だと思っています