ジャックの小さい頃: 「強情な顔」

昨日の「ジャックの食欲」には、コメントやトラックバック、たくさんのブックマークもいただき(ブックマークのコメントもなごむものばかりでいいですね)、思いの他、友達たちにも好評だったので(リアルで会う知り合いには、専門の話よりこういう話のほうが楽しいんだよな)、日本は連休中だし、ジャックと二人きりだし、今日もジャックの話を続ける。
ジャックの小さい頃でいちばん思い出深いのは、ジャックの「強情な顔」である。
エネルギーの塊のようだった仔犬時代、とにかくきちんとしつけをしなくちゃしょうがないな、という話になって、妻と二人で「しつけの訓練」を受けた。
そこで教わったことのひとつが、こういう方法。
ジャックが悪いことをしたときに現場を押さえて(過去のことを叱ってもわからないから)、すぐにジャックの両頬を両手で持って、人間の顔のところまで持ち上げ、顔と顔をつきあわせて「ノーーーー」と強く言うというもの。
吊り上げられているわけだから、しばらくは力をこめているだろうけど、たいていの犬はちょっとしたら身体の力を抜くよ。それが恭順の意を示したことになるので、そこで床におろしてあげなさい。そう教わったのだ。
僕が今も忘れられないのは、吊り上げられて「顔と顔をつきあわせたとき」のジャックの強情きわまりない顔だ。
しかも、どれだけの時間吊るされて叱られても、ジャックは一度も身体の力を抜いたことがなかった。そうこうしているうちにこちらが根負けして、そんなに長く続けるわけにいかず、全く力を抜かないジャックをゆっくりと床におろしてやるはめになる。
そんなことを繰り返しているうちに、日に日にジャックは成長し、もう両頬を持って持ち上げることなどできないほど巨大になっていき、そのやり方は通用しなくなった。
完全にこっちの負けであった。
僕がジャックになめられるようになってしまった理由のひとつなのかもしれない。
ジャックは十歳半になり、ふだんは柔和でやさしい顔になってきたけれど、ときおり小さい頃のような「強情な顔」を見せることがある。そんなときはいつも、吊り上げて顔と顔を突き合わせて「ノーーーー」と言っていたときを懐かしく思い出す。


付録・ジャックの写真の中でいちばんアップで撮れたもの。これは柔和な顔。

ジャックの食欲

昨日はジャックにパンを食べられてしまった話をしたが、ジャックは生後七週間で我が家にやってきて以来、目の前に出された食べ物を残したことが一度もない(厳密に言うと、一度だけあったが、そのときは感染症でまもなく入院するほど具合が悪かった)。
つまり十年半、すべての食事を一気食いしてきた奴である。
はてな社員を焼肉屋に連れて行ったとき」みたいなことが、生まれて以来毎食続いている人生(犬生)である。うちにはジャックしか犬はいないんだから、はてな社員と違って「食べないと誰かに食べられてしまう」ということもないんだけどね。
だから犬とはそういうものなんだと勝手に思っていたら、しなもんは、食べたくないときは食べずに残しておいて、また食べたいときに食べるんだねぇ、とこの間思った。
ジャックの食欲は特別なんだろうな。
ジャックがまだ二歳くらいの頃、妻が夕食に「味噌つくね」を作っていたら、つまり焼く前の生の挽肉の塊に味噌味をつけたりしたやつですね、ちょっと目を離したすきに、20個か30個かペロッと生のまま全部食べてしまって、僕らの夕食がなくなっちゃった、ということがありました。
ハロウィンで飾っておいたかぼちゃが、朝起きてたら、「へた」だけになって落ちていた、ということもありました。これはけっこう笑った。かちかちに硬いかぼちゃに挑んだからには、「へた」も食えよ、せっかくなら、贅沢な奴だなぁって。
でも極めつけは、あるとき、突然ジャックがぜんぜん歩けなくなってしまって、妻と二人で、どうしよう、何が起きたんだろうとパニックになったことだったなぁ。
しばらくたって原因判明。
その前の晩、友人が泊まりに来たときにウィスキーのつまみに出したマカデミア・ナッツは、ちょっと目を離したすきに、じつはジャックが全部飲み込んでいたんだってことが発覚。僕はてっきり、その友人が酔っ払って全部ナッツを食べたと思っていたんだよね。
大量のナッツを噛まずに丸呑みしたもんだから、腹の中で詰まって便秘状態になって、動くと腹が痛くて歩けなくなってしまったんだったよなぁ。じっとしている間に少しずつ消化が進んで、苦しそうにやっと便が出たときには、マカデミア・ナッツの原形がごつごつと混じっていたもんね。それが出たあとは元気いっぱいになって、またすぐに食事を一気食いしてました。
ドーナツ三個くらいをビニール袋もろとも食ったこともあるし、というわけで、コメント欄でご心配いただいてどうもありがとうございました。たぶん大丈夫です。

くるみパン5個とハムチーズロール1個

いま妻がちょっと出かけていて、ジャックと二人で留守番中なのだが、朝起きてみると、昨日買っておいたパンが見当たらない。トースターの横に置いておいたはずだったのだが・・・。いやな予感。
床には食い破られたビニール袋の断片が二つ。
ジャックにはいっさい人が食べるものは食べさせずに育ててきたのだが、散歩をしていてもパンが落ちているとバクッと食べようとするパン好き。ドーナツはもっと好き。
結局、くるみパン5個とハムチーズロール1個を、かなり背伸びして獲得して、深夜に食べてしまった模様。本当ならもうひとつビニール袋の断片があるはずなのだが、ハムチーズロールのビニールは密着していたので一緒に食べてしまったのだな。床を眺めるに、パンくずは落ちてない。真っ暗な中でパンくずは全部なめ尽くしたようだ。
ジャックはどうも妻だけを主(あるじ)と思っていて、僕のことはダチだと思っているふしがある。そのことも関係あるのかなぁ。

ジャックとしなもん


jkondoの日記経由で見た人も多いと思うけど、ジャックとしなもんの映像も貼っておきましょう。ちなみにこの映像、もう「7,867 views」というから驚く。まさに「Broadcast Yourself!」だなぁ。

ついでにもう一枚、ジャック。

祝・ジャック十歳の誕生日。フットボールしよう!

ジャックは1996年2月18日に生まれました。
今日でとうとう十歳です。
ジャック。十歳まで大きな怪我も病気もなく元気で育ってくれてありがとう。
今日は雨模様のシリコンバレーですが、雨の合間を縫って、庭でフットボールをして遊びました。

強情な気質が顔によく出ています。

興奮耳にご注目。

興奮目にご注目。

右足にご注目。

さぁ、もうすぐ来るぞ。

ボールに全身の神経を集中。尻尾にご注目。

さぁ勝負だ。ボールを追いかけるぞ。