創業記念日、13年という歳月、そしてサバティカル明け

MUSE Associatesを創業したのが1997年5月1日。今日は創業記念日。13年が過ぎた。創業時に36歳だった僕は49歳になり、1歳だったジャックは14歳になった。創業記念日の今日は、まもなくサバティカルが明けるというご報告。
13年はほんとうに長い歳月だった。ベンチャーキャピタル創設、ネットバブル崩壊、2001年の911同時多発テロ」、英語で読むITトレンド、JTPA創設、はてなウェブ進化論リーマンショックに端を発した世界金融危機からの大不況。いろいろなことがあったが、シリコンバレーに住んだまま、何とかサバイバルできて今日に至る。I survived! が実感。
2年前、期限未定のサバティカルに入ることにした。事業まで休むことはできないので、モノを書くことをほぼすべて休止して自分の時間を作った。10年以上にわたり、自分のキャパシティ以上の仕事をし続けて疲れ、自分の中にあったものを出し尽くしてからっぽになったため。そしてサバティカルに入ったときは、期間中に特に何をしようという計画もなかった。
しかしサバティカルに入ると、不思議なたくさんの偶然に誘われ「将棋を観る」ことに没頭することになった。新潟岩室温泉、豊田市、パリ、南紀白浜、伊豆今井浜温泉、新潟岩室温泉、道後温泉、京都、鳴門市、遠野へと旅をした。幸福な時間が流れ、「シリコンバレーから将棋を観る」という幸福な本が生まれた。たくさんの棋士たちとの深い心の交流が生まれ、それは僕の後半生にとっての素晴らしい財産になった。これだけでもサバティカルを取った甲斐があった。棋士たちと交流しながら「将棋を観る」こと。そして「将棋について書く」こと。これはこれからサバティカルが明けて忙しくなっても、人生でいちばん大切なことの一つとして続けていく。「個人の幸福」と深く関係することなのだ。6月初旬には、棋聖戦第一局のウェブ観戦記を書くために奥出雲に出かける。
そして、共著で新しい本を一冊ほぼ書き終えた。「シリコンバレー精神」「ウェブ時代をゆく」「ウェブ時代 5つの定理」の流れの先にある本ではなく、最近の僕の問題意識を詰めた「ウェブ進化論」の系譜に連なる作品。今はとりあえずそこまで。秋に出版されるのでどうぞお楽しみに。
先が見えぬままに休むと決めるのは難しい。しかしそれはとても重要なことだ。はじめは、休めばすぐに何かが見えてくると思っていたが、そんなことも忘れ、休んでいるということも忘れたころに、エネルギーが沸いてきた。気づくと2年が経っていたということになる。数日前に、
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E0E5E2908B8DE0E5E2E6E0E2E3E28698E0E2E2E2
という新聞発表があった。ベストを尽くして重責を果たしたい。
あと二カ月ほどでサバティカルが明け、また忙しい日々が始まる。新たな気持ちで創業14年目に入る。

14歳のジャック: 最近の写真

最近のジャックの写真を追加します。
大型犬ラブラドール・リトリバーの14歳は人間だと80歳代後半、というのがアメリカでの共通感覚でしょうか(日本の換算表だと14歳で103歳らしいけど・・・)。今は換毛期で毛がぼろぼろですが、もう少しするときれいになります。


ジャックよ、目指せアメリカ標準の100歳!(16歳ちょっとかな)
これが我が家における現在の最優先事項です。

ジャック、14歳の誕生日、おめでとう!

ジャック、14歳の誕生日、おめでとう!
おかげさまでジャックはたいへん健康で14歳の誕生日を迎えることができました。

これは数日前、オリンピックをテレビで見ながら室内で撮った写真です。
また追ってジャックの新しい写真をアップします。

「ウェブ時代 5つの定理」文庫版(文春文庫 610円)が発売されました。

ウェブ時代5つの定理 (文春文庫)

ウェブ時代5つの定理 (文春文庫)

「ウェブ時代 5つの定理」文庫版が2月10日に発売されます。

新春のお知らせです。
ウェブ時代 5つの定理」が急きょ、文春文庫として文庫化されることになりました。

ウェブ時代5つの定理 (文春文庫)

ウェブ時代5つの定理 (文春文庫)

昨年の政権交代以降「成長よりも分配」が「時代のテーマ」になりましたが、そろそろきちんと成長について考えるべき時なのでそのための「考える素材」をいま提供したい、との出版社の判断で、単行本発売から二年弱という異例のスピードで、文庫化が決まりました。
本書は、タイトルにシリコンバレーという言葉こそ入っていませんが、シリコンバレーについて書いた僕の二冊目の本です(一冊目は「シリコンバレー精神」) 。日本人がシリコンバレーから学び得るとすればそれはいったい何なのか。シリコンバレーに住んで、そのことを考え続けて十五年が過ぎましたが、この本を書き終えて、シリコンバレーについて日本に向けて書くべきことのエッセンスは書き尽くした、そんな気持ちを持ちました。
何年もかけて経験したことや考えつづけたことを凝縮して一冊に詰め込む本を、僕は自分の中で「真水(まみず)の本」と呼んでいます。本来、「真水の本」というのは、どんなに頑張っても4年か5年に一冊くらいしか書けないものです。シリコンバレーに94年にやってきてから2000年までの経験は「シリコンバレー精神」にまとめました(これは「真水の本」を書くにはちょうどいいペース)。そして続く三冊の「真水の本」としての「ウェブ進化論」「ウェブ時代をゆく」「ウェブ時代 5つの定理」を書くことに、05年から07年のほぼすべてが費やされました(振り返れば一年に一冊のペースはちょっと無理をしすぎたと思います。モノを書く仕事を、集中してし過ぎました。反省)。
そしていつかまた「真水の本」が書けるよう、さらにしばらく充電を続けるつもりです。
このたびの文庫化に際して、改めてこの「真水の四冊」を読み返してみましたが、日本の若い人たちに僕が届けたいと思ったメッセージは、やはりこれらの四冊に全部入っていて、いま特に付け加えることはないと思いました。
分配の話は確かに重要だけれど、そればかりでは日本も行き詰まってしまう。そう感じ始めている新しい読者と、本書が新しい環境下で出会えることをたいへん嬉しく思っています。
文庫版の解説は、僕の著作の中ではこの本がいちばん好きだと言うグリー(株)創業者の田中良和社長が書いてくれました。ありがとうございました。

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
皆様にとって2010年が良い年になりますように。

これが今日、元日の午後に撮影したジャックの写真です。
ジャックはまもなく14歳になりますが、おかげさまですこぶる健康で、特に何も心配することもなく新年を迎えることができました。
「2010年」なんてSFの世界だとずっと思っていました。自分がその年に生きていることを子供のころ想像したこともなかった。そんな2010年代が今日から始まります。