ウェブを面白がる年寄りが面白がった二人の対談(by 養老孟司)

養老孟司さんによる「ウェブ人間論」書評(「フォーサイト」誌)が、ネット上にアップされ、全文読めるようになりました。「さすが養老節」という感じで面白いです。どうぞご一読を。
http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/610193/review02.html

ウェブなんて話題に、そもそも年寄りが口を出すものではない。それならなぜお前が口を出すんだよ。だって書評を頼まれたから、仕方がないじゃないか。それに同じ年寄りでも、私みたいなオタクの年寄りには、ウェブほどありがたいものはない。テレビなんてものを見ているより、はるかにマシな気がする。ところでウェブってなんだ。そう思った人は、インターネットを考えてくれればいい。それでわからなければ、メール。それでもダメなら、もう知らない。
時代というものがあって、いまの時代は年寄りが威張る。そのつもりはなくても、生きている以上、ジャマになるのは仕方がない。そんな時代に若い人はどうすればいいか。いちばんまともな生き方は、年寄りがダメな世界で頑張ること。ならばウェブは格好の分野ではないか。
だからこの『ウェブ人間論』は、『ウェブ進化論』を書いた四十代の梅田望夫と、三十代はじめの作家、平野啓一郎の対談になっている。とにかく一生懸命に話しているから、そこに大いに好感が持てる。私は高度成長期に生きたからひねくれていたが、いまは時代がひねくれているから、一生懸命のほうに加担したくなる。若い人に「べつにー」とかいわれると、頭に来るほうなのである。若いんだから、なんでもいいから一生懸命にやりゃいいじゃないか。というと、テロになったりするから、厄介だが。
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