復活教会

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JMM 『from 911/USAレポート』 第180回「カンザスという世界」(冷泉彰彦)で知る。

教会の中で会ったある信徒のケースが一つの典型だと思われました。仮にA氏としておきましょう。エンジニアとして高い教育を受けたA氏は、若い時代には自動車のエンジニアとして活躍しました。けれども、日本車ブームによって自動車産業が斜陽になると共に失職、その後90年代のハイテクブームの際に「インターネット・プロバイダー」の会社を起業し、かなりの規模にまで育て上げたものの、大手との競争に負けて廃業に追い込まれたのだといいます。
最終的には生活水準を切りつめたものの、住宅ローンが払えなくなり自己破産も考える中で、この「復活教会」の経済支援で救われたというのです。教会は借金の肩代わりをしてくれると同時に、厳しい「家計管理のコンサルティング」もしてくれ、生活は決して楽ではないものの、希望と安心を得たと言います。それだけではありません。エンジニアの経歴を持つA氏は、大規模なハイテクAVシステムなど、教会のテクノロジー分野でのボランティアもしており、明らかな生き甲斐も得ているのです。(略)
ただ、問題はAさんのような「中産階級の起業家」です。彼等に対するセーフティネットが、現在のアメリカ社会にはないのです。民主党や組合は手を差し伸べません。実際問題、共和党系の行政でもダメなのです。もう少し「落ちれば」福祉の恩恵もあるのでしょうが、そうはいきません。そこで宗教が出てきてしまうというわけです。