「英語で読むITトレンド」復活へ

日本と米国西海岸(冬時間)とでは17時間の時差がある。日本がさんざんエイプリルフールで遊んで飽きた頃にこちらが4月1日になる。これから米国が・・・というときだが、一日早く日本のエイプリルフールものばかり読んで飽きてしまったから、無粋ながら、以下の内容はエイプリルフールではありませんと、先に申し述べておく。
CNET Japan連載「英語で読むITトレンド」を12月末でやめてから3ヶ月がたった。この3ヶ月の間、有難いことに、本当にたくさんの人から「更新頻度は毎日でなくていいから、「英語で読むITトレンド」を続けてほしい」とリクエストされた。会う人、会う人から感謝され、そう言われた。たとえば、昨日の「ダ・ヴィンチの手記」についてのエントリーにいただいたKAIさんからのトラックバックのように、自分が書いたものに対して「ありがとう」という感想をいただくのはいちばん嬉しいもの。どういうスタイルで続けるかはこれから模索していくし、CNET Japan連載当時並みの労力はかけられないが、これからは精一杯頻繁に、本欄の更新をしていこうと思う。
この3ヶ月の間に、はてなブックマークのベータ版がリリースされた。僕の「知的生産のための道具」の品揃えとしてこれはかなりの大事件であった。これによって、単なる記事のクリッピングはすべて
http://b.hatena.ne.jp/umedamochio/
に移行した。始めて約1ヶ月半だが、今は1,400弱のエントリーがブックマークされている。はてなブックマークはまだベータ版でもあり、検索機能、ユーザ・インタフェースなど改善すべき点が多すぎるので、まだ大言壮語できないのではあるが、僕が関心を持って考えている領域の記事や論考については、Googleで検索するよりも、僕のはてなブックマークを検索するほうが、ピンポイントで欲しいものにたどりつきやすい状態にすることをゴールと考えている。
というわけで、このダイアリーの方では、「英語で読むITトレンド」のときのように、その解釈を述べていくことになる。記事・論考へのリンクはブックマークで、解釈はダイアリーで、ということですね。ブックマークのコメント欄に「英語で読むITトレンド候補」と書き込んだものは、いずれダイアリーで取り上げるテーマの候補だという意味です。
何のためにやるのか、という意味では、H-Yamaguchi.netの「研究者のblog」
http://www.h-yamaguchi.net/2005/02/blog.html
で指摘されたイメージに近い。

blogという道具は、少なくとも原理的には、研究という目的に適合しているのではないか、と思っている。自分の考えを迅速に簡単に広く見てもらうことができ、トラックバックやリンク、コメントによってそれぞれの主張が有機的に関連づけられる。つまり、blogの機能は研究者が日常やっている活動に近いものであり、したがってこれを活用することによって、分野によらず、研究活動がやりやすくなる部分があるのではないか、と思ったわけだ。(略)
実際には、研究者のblogは、自分の専門分野に関する一般向けの情報発信という場合と、研究とはやや関係の薄い日常の感想などを書くものとが多い。いずれにせよ、実名のものはそれほど多くはない。私がイメージしているのは、梅田望夫さんの「My Life Between Silicon Valley and Japan」のような感じのものなのだが、こういうのは非常に少ない。

僕の場合は研究者でも何でもないので、ここで書かれているような「研究者のblog」的なものを目指します、なんていうのはおこがましい限りなのであるが、IT産業やネット産業やシリコンバレーや起業家経済といった自分の関心領域が次の十年にどういう方向に進んでいくのかということを日夜考えている、という意味では「研究者」まがいのことをしている日常であるので、そのプロセスを公開して、さらに学びたいとということである。

Blogで研究者同士がやりとりするケースがほとんどないのが原因なのだろう。やっぱりやりにくいのか、とちょっとがっかり。これから変わってくるのか、そもそも難しいことなのか。海外の例はどうなのかも気になる。

とあるが、僕の専門領域に限っていえば、つまり「学術研究」ではなくてIT産業界でのビジョナリー的議論の場としては、米国のBlog世界でそれが完全に確立したと言っていいだろう。Blogが生まれる前は何をどうやって議論していたんだろう? と数年前を思い出せないほどの変化と定着ぶりである。
そしてこれから、はてなダイアリーはてなブックマークがより深く連動する方向に開発が進んでいくはずなので、ここで実験する中で気づいたアイデアは、はてな開発陣にフィードバックするつもりである。その中で意味のあるものから実装してバージョンアップしていってもらえば、はてなのサービス全体の向上にもつながって一石二鳥であろう。
そして最後に。これまではてなユーザからのコメントのみ受け付ける設定にしていたが、今日からどなたでもコメントできるようにしましたので、どうぞご自由にコメントを書いてください。