グーグルとテレビ局の権利交渉の本質

フォーサイト誌11月号「シリコンバレーからの手紙」(123)に書いた「グーグルとテレビ局の権利交渉の本質」
http://www.shinchosha.co.jp/foresight/web_kikaku/u123.html
が、ネット上にアップされました。

十月十四日、ナリーグ優勝決定シリーズ第三戦「ニューヨーク・メッツセントルイス・カージナルス」をテレビ観戦していたら、観客席にスティーブン・タイラー(ロックバンド「エアロスミス」のヴォーカリスト)の姿があった。一緒にテレビを見ていた妻が言う。
「私がいままでに聞いたアメリカ国歌の中で、スティーブン・タイラーが球場で歌った国歌がいちばん素晴らしかったのよ」
「へぇ、見てみたいなぁ」
 メジャーリーグ好きの私たちは、過去の重要な試合のビデオは撮って残してあるのだが、その中にあるのかないのかもわからないし、該当箇所を探すのも面倒だ。それでふと思った。
「ひょっとして、ユーチューブに上がっているかもしれないよ」
 妻はすぐにパソコンのある部屋に行き、ユーチューブの検索機能に「Steven Tyler, National Anthem」と打ち込んだ。
「あったぁ」という声に続いて、スティーブン・タイラーの国歌が聞こえてきた。二〇〇四年十月二十三日のワールドシリーズ第一戦が始まる直前のセレモニー映像が、妻のパソコンで再生されていたのだ。
ボストン・レッドソックスが三連敗から奇跡の四連勝でニューヨーク・ヤンキースを倒したあの二〇〇四年の興奮、一九一八年以来初めてワールドシリーズを制覇したレッドソックスの狂喜乱舞、ボストンの本拠地フェンウェイパークの熱狂……。
 それらがつい昨日のことのように思い出された。人々の記憶の奥底に眠る映像の断片が、時空を超えて自由に連動する新しいテレビ視聴のスタイルは、これまでの受け身一方の視聴とは全く違う経験である。
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全文は、新潮社「フォーサイト」誌サイトでお読みください。
追記: このエントリーを読んだid:rintaromasuda
アメリカ国歌斉唱集」
http://d.hatena.ne.jp/rintaromasuda/20061216/1166269466
というのを作ってくれました。いろいろ聴き比べてみてください。