山口浩さんの「ウェブ人間論」書評

つづいて山口さんの書評。
http://www.h-yamaguchi.net/2006/12/post_de78.html
山口さんは、意見や考え方が違う二人(僕と平野さん)が議論を行うスタイルという視点での書評だ。
山口さんが「蛇足ながら」と最後に書かれた部分が、ぜんぜん蛇足なんかではないと思ったので、引用しておく。

この対談のスタイルを、ネットでの議論の際の参考にしたらどうかとも思う。改めていうまでもないが、「私はあなたと意見がちがう」ということをていねいなことばで説明し、「私の方が正しい」ということを礼儀正しく主張することはできるのだ。意見がちがうからといって、相手を「バカ」だの「低能」だの「逝ってよし」だのとののしるのは、議論の妨げにはなっても助けになることはない。もちろん面と向かってそういうことを言う人はあまりいないだろうが、ネットでは言っていいというのもおかしい。それが慣習として定着していて皆が納得している場が存在するというのは理解するし、当事者同士がそれでいいなら外から文句をいう理由はないが、世の中にはネットでの罵詈雑言を不快に思う人のほうがたくさんいるのだ。それに、衆人環視のネットという場で、相手がどう感じるかを考えずにむき出しの感情をぶつけて攻撃するのは、およそ「議論」とか「対話」とかとはかけ離れているし、少なくとも第三者の読者にとって意味のあるものではない。

もし僕たち二人の対話が、こういう意味で、ネット上での振舞いに、何かの参考になれば、とても嬉しいと思う。