近藤の思考回路と「行動主義」

CNET Japan Blogで「近藤淳也の新ネットコミュニティ論」が始まった。第二回「世の中はでたらめな仕組みで動いている」
http://blog.japan.cnet.com/kondo/archives/002209.html
は近藤という人間の面白さがよく出ている。
僕がはてなに参画する理由をいくつか書いたときに、その中の一つに、近藤が「いつなんどきでも何事に対しても自分の頭でモノを考えている」点を挙げた。
はてなのサービスや経営について近藤と議論すると、いつもものすごく長くなる。

誰もが当然と思って使っている仕組みや環境に対しても、常に「本当にこれがベストなんだろうか」と疑ってしまい、ついつい違う方法を試してみては失敗し、「なんだかんだ言ってこの仕組みはよく考えられて作られているんだなあ」と知って元に戻ってくる、という事を繰り返している気がします。

近藤の思考回路がこういうふうになっているからだ。だから「会社の構造と意味」「ベンチャーと資金調達」みたいな基本的なことに、ときに3時間も4時間もかける。そしてその議論の中で、近藤が抱く「素朴な疑問」の主旨を僕が理解して「なるほどこういうところからはてな流が生まれるのか」と納得してみたり、僕が「これは譲れない」と思っていることについて近藤が納得して「戻って」きたり。そんなことをここ数ヶ月、ずいぶん繰り返した。
実は近藤のような思考回路を持つ人がおそろしく稀少かと言えば、多くはないが皆無ではない。ただ近藤の場合いいのは「行動したくてしたくて仕方ない」というのが基本にあって、そのために自分自身心からの納得が必要で(特に新しいことを始めるときは)、そのために真剣に議論するという点である。だから議論が終ればすぐに行動に移る。
こういう思考回路を持つ人間が陥りがちな「議論のための議論をし続けて、結局何もしない」という罠から、紙一重で近藤が逃れているのは、この行動主義ゆえなのである。