3/10/2000から既に5年が・・・

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に全部クリッピングしてあるが、今週のサンノゼ・マーキュリー・ニュースは、2000年3月10日がNASDAQのピークだったことにちなんで、シリコンバレー特集をやっている。
記事できちんと書かれていないけれど重要なこととして、特にネット・サービス事業を起こすためのコストが著しく下がったということが挙げられる。これは統計数字の読み方を難しくしている。イノベーションが相変わらず活発かどうかを、ベンチャーキャピタル(VC)の投資額や、VCから資金調達したベンチャーの数といった従来型指標から読み取ろうとすることが難しくなっているのである。
Forbesのカールガードがしきりに言う「Cheap Revolution」が進行中であるために、VCから資金調達などしなくても、ネット・サービスのかなりのところまでを、一人または数人のチームでどんどん作っていくことができるようになった。99年から2000年にかけてのバブル・ピーク時から最も大きく変化したのがこの点だろう。VCから資金調達せず(自己資金とせいぜいエンジェルからの少額の投資で)、いきなり大手に買収されるだけのエンティティを作ることができる時代になったのである。オープンソースの進展も、この変化を支える大きな要因である。
2000年3月10日からさらに5年前(つまり今から10年前)といえば、インターネット・ブームが始まった時期であるが、その頃しきりに言われていたのは、「インターネットの世界は超巨大な存在と個に限りなく近い極小の存在とに二極分化していくはず」ということだった。
今後ますます続いていく「Cheap Revulution」は、「個に限りなく近い極小の存在」にとっての朗報である。
最近はやりのロングテール論でいえば、VC投資額等で捕捉できるイノベーションは、イノベーションロングテール・カーブのほんの左端だけである。「個に限りなく近い極小の存在」による厖大なイノベーション量がどうなっているのかは、実は誰にも捉え切れていないのだ。
追記
ロングテール論について大切な論考は、だいたい全部ここで見つかると思うのでご参照ください。
http://b.hatena.ne.jp/umedamochio/?word=long+tail&cname=
今週のサンノゼ・マーキュリー・ニュースのSV特集は、
http://b.hatena.ne.jp/umedamochio/?word=MercuryNews&cname=
で最初のほうに出てくる記事です。