白川静

日経新聞3/27/05より

研究ぶりは高橋和己著『わが解体』(河出文庫)でも紹介されている。「S教授の研究室は(中略)紛争の期間中、(中略)それまでと全く同様、午後十一時まで煌々と電気がついていて、地味な研究に励まれ続けていた。
(略)
四月に九十五回目の誕生日を迎える今も京都の自宅で一人、毎日同じリズムで研究に励む。徹底したマイペースぶりだ。
一日の過ごし方は。
「午前六時に起床。八時には執筆。昼食後、一時間ほど睡眠。午後二時から作業を開始。七時過ぎに夕食をとるまで、二度ほどお茶とコーヒーを飲む。午後九時就寝。日常の秩序が大切です」
仕事の計画は。
「七十代では十年計画。八十代では五年計画。九十代は三年計画を立て、ただ今『金文通釈』九冊の改訂版などを刊行中。(略)」
(略)
編集者、西川照子は言う。「同じ生活のリズムを守り、急停車も急発進もしない規則正しい走り方こそが前人未到の白川学を築き上げたのではないか」