将棋

金子金五郎が語る「観戦記の金子理論」

このたびのアルバイトを引き受けてくれた将棋好きのT君はじつに気が利いていて、「金子教室」以外についても、金子金五郎に関連する記事はすべてコピーして届けてくれた。 その中に「よろこびがいっぱい ―金子八段を囲む会―」(「近代将棋」昭和39年7月号)と…

こんな不思議なことがあるんだ・・・・・

日本から帰国する飛行機の中で読んだ「将棋世界」2月号は充実の内容であった(片上五段のブログによると3月号も充実とのこと、楽しみ)。 しかし驚いたのが、55歳という若さで先ごろ逝去された真部八段(逝去後に贈九段)の絶局を巡る不思議な物語である。 この…

将棋本オールタイムベストテン

id:doublecrownの将棋本オールタイムベストテンという企画に乗ってみる。 ただ書架を全部ひっくり返して考えるとキリがなさそうなので、何も見ずに直感で10作品を選ぶことにする。 第1位 金子教室(「近代将棋」長期連載とその単行本化、金子金五郎) 第2位 対…

ちょっとした贅沢をした。金子金五郎、再び。

今年の一月から四月にかけて、何度か金子金五郎について取り上げた。 出でよ、平成の金子金五郎(=将棋解説者) 無限から有限へのマッピング: ものを書くということ 金子金五郎の将棋解説の真髄とは何か 昭和の名稿「金子教室」 今年一年間、たくさんの棋譜を…

「負けられない」戦いこそが感動を呼ぶ

第66期A級順位戦六回戦、▲谷川浩司九段−△佐藤康光二冠を早朝からネット観戦。 結果は谷川勝ち。ここまで五連敗の佐藤二冠、一勝四敗の谷川九段。これは誰も予想できなかった推移である。二人の不世出の名棋士の「負けられない」戦いに今日は大きな注目が集ま…

勝又六段の素晴らしい自戦記

名著「最新戦法の話」(勝又清和著 浅川書房)の著者、勝又六段の自戦記が素晴らしかった。 この人は本当に文章がうまい。構成力にすぐれているだけでなく、自戦記の味、つまり将棋を指した当事者でなければわからない感覚をうまく言葉に表現している。構成力…

17局も同時は多すぎる。

今日は四時起きで、B1とB2の順位戦のネット観戦中。なのだが、しかし17局も同時というのは観る側からすると多すぎる。B1とB2はできれば別の日にやってほしいな。 追記。 はてなブックマークのコメント(takodoriという人)に 梅田氏は、上位の将棋しか興味がな…

羽生二冠、1,000勝なるか--> 祝・史上最速での1,000勝達成

当地の朝5時からA級順位戦、羽生二冠対久保八段戦をネット観戦中。 羽生勝てば通算1,000勝。 ゴキゲン中飛車から、後手(久保)が8八に角を成りこみ、先手(羽生)が2一に飛車を成りこむという超急戦の最高に面白い将棋。 渡辺明「頭脳勝負」(ちくま新書)で紹介…

「これは名局」(はてなハイクで遊ぼう)

はてなの新サービス「はてなハイク」に「これは名局」というキーワードを用意しました。誰でも読めますし、はてなidさえ持っていれば、このキーワードに対して簡単に何でも書き込めます。「これは名局」と思う将棋についての情報を、ここで簡単にシェアでき…

ニコニコ動画で「羽生対中川」戦を見た

大逆転で話題のNHK杯「羽生対中川」戦をニコニコ動画で見た。NHK杯戦を見られるなんてもう何年ぶりだろう。ありがたい。ネットで話題になっているだけあって、確かに凄い大逆転で驚いた。解説が加藤一二三九段だったのも、盛り上がるのにいい組み合わせだっ…

深夜の戦い

今日はB1とB2の両方同時開催だったが、17局もいっぺんに観るのはかなり疲れる(できれば二つのクラスの同時開催はもったいないので、分けてほしいな)。全部「30秒更新」にしておくと、いつもどっかで「パチッ」と駒音がして、それを探しに行ったり、寝ていた…

王位戦最終局に引き続き、王座戦第三戦も名局

午前4時起き(日本時間午後7時)で王座戦第三戦をネット観戦したが、いま終局(こちらはまだ朝6時過ぎ)。羽生防衛で王座戦16連覇の偉業達成である。 これからきっとネット上にも感想や解説がいろいろ書かれるんだろうけど(それを読むのが楽しみ)、この将棋も「…

朝4時起きで順位戦をネット観戦中

「第66期順位戦A級2回戦 丸山 忠久九段−佐藤 康光二冠」 を観戦中。夏時間だと、こちらの朝4時は日本時間の午後8時なので、中盤から終盤までゆっくり楽しめてよい(午前4時50分現在でまだ52手、両者あわせて3時間以上持ち時間が残っている)。いい時代になっ…

アジア国際学生将棋交流企画/AISEP(Asian Intercultural Shogi Exchange Program)

若手棋士のブログで盛んに紹介されているので企画を眺めてみた。 北京・香港(以上中国)・光州(韓国)・シンガポールから、将棋・シャンチー・チャンギに高い関心があり見識ある学生9名を日本へ招待し、日本国内の大学生および東京大学生スタッフによる交…

名人戦棋譜速報(月額500円)と「名局推薦」のすすめ

最近やっと少し時間ができたので、名人戦棋譜速報サイトに登録した(月額500円)。 http://www.meijinsen.jp/ 「名人戦棋譜速報」では、棋界の頂点を決する名人戦七番勝負はもとより、年間約600局にのぼる名人戦順位戦(A級〜C級2組)の全対局をほぼリアル…

昭和十年の将棋観戦記

将棋名人戦は今年第66期であるが、第1期名人戦は昭和10年6月の花田長太郎八段対金子金五郎八段戦から、昭和12年2月の木村義雄八段対花田長太郎八段戦まで、足掛け三年の歳月をかけた「八段特別リーグ戦」(9名の八段の先後総当り、二日制・持ち時間各13時間)…

人間の一局 均衡の美

7月3日朝日新聞朝刊の将棋特集面「棋士の格かけた戦い 将棋名人戦 第66期順位戦」で、ファン代表ということで僕のインタビューが掲載された。棋力からいえばファン代表などおこがましい限りなのだが、ときどきこの欄で将棋のことを書いている内容が記者の方…

将棋講演会「プロの最新戦法と名人戦七番勝負を総解説」

勝又清和六段がパソコンを使って懇切丁寧に最新戦法について詳解!ぜひご参加下さい。 4時間以上をかけて、じっくり解説します! 行きたいなあ。東京に住んでいたらなあ、と思う瞬間。DVD化希望。

「羽生」(保坂和志著、光文社知恵の森文庫)

この本が届いたらすぐに読み、その感想文を「黙殺された名著がここに蘇った」と始めようと思っていた。そうしたら「文庫版のためのまえがき」冒頭で著者保坂和志が、 実際、九七年に出版されたときにも、一般の新聞雑誌ではいろいろ取り上げてもらったが、将…

「最新戦法の話」(勝又清和著 浅川書房)

この本は名著である。 現代将棋を鑑賞するうえでの必読書ではないかと思う。それほど将棋が強くない人でも十分に楽しめる。九章立てで、一手損角換わり、矢倉、後手藤井システム、先手藤井システム、ゴキゲン中飛車、相振り飛車、石田流、コーヤン流、8五飛…

昭和の名稿「金子教室」

「将棋世界」だけでなく「近代将棋」もサンノゼ紀伊国屋経由で定期購読することになってしまった。定期購読申し込みが何とか間に合って四月号を入手(サンノゼ紀伊国屋には「近代将棋」が三冊しか入荷しないのだ)。金子金五郎フリークとしては、四月号から「…

C級2組順位戦昇級は三人とも棋士ブロガー!!!

昨日行われた最終戦の結果、C級2組順位戦昇級は三人とも棋士ブロガーでした。皆、おめでとう!!! http://www.shogi.or.jp/kisenhyo/zyunni/2006/65c2.html

C級2組順位戦で昇級を競う棋士ブロガーたち、高速道路論再び

愛読しているブログ「勝手に将棋トピックス」を何週分かまとめ読みをしていたら、面白いエントリーにぶつかった。 「順位戦C級2組 村田・片上・広瀬・上野が8勝1敗」 である。 2月6日に一斉に行われた順位戦C級2組9回戦で村田智弘四段、片上大輔五段、広瀬章…

金子金五郎の将棋解説の真髄とは何か

「将棋世界」のバックナンバーを引っ張り出していくつも名局を並べてみても、やっぱり金子金五郎の解説を読みながら並べたくなってしまう。金五郎中毒もかなりのところまで来ているが仕方ない。買い集めた古本五冊分を、もう飽きるまで並べ続けようと決心し…

出でよ、平成の金子金五郎(=将棋解説者)

「スーパー源氏」で買えなかった金子金五郎の著書を求めて、東京でほんのわずかあいた時間を使って神保町の棋書専門古書店に行った。結局集めることができた金子金五郎の著書は、晩声社からまとめられた金子将棋教室全三巻(①大山升田、②大山中原、③中原米長)…

新聞社の将棋担当者への提言: ネット上に長い観戦記を

週一回三ヶ月の毎日新聞夕刊コラムを引き受けたのは、じつは何を書いてもいいと言われたので、どこかで将棋の話を一回書きたいと思ったからである。 第九回の「将棋の魅力」 http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20061212/p2 がそれである。新聞の夕刊を誰が…

吉田正和アマ名人(奨励会初段受験中)のブログ

あるはてなユーザーから、あるエントリーに、1ポイントの投げ銭をいただいた。投げ銭自身に意味はなく、コメント欄をメール機能として使い、将棋好きの僕に「吉田アマ名人のブログの文章が大好きなので、是非読んだらどう?」と教えてくれたのだった。 「masa…

「好き」ということの度合い

「将棋世界」9月号の対談記事で、女流王将になった千葉涼子が、夫の千葉幸生五段についてこう話しているのを見つける。 主人があまりにも楽しそうに将棋をやっているもので(笑)。例えば美濃囲いのすごく厚い形を見ると「たまらん〜、この形」って言ってます(…

先崎学の「記憶力の悪さ」と「局面に対する明るさ」

「将棋「次の一手」読本」 http://tkj.jp/bessatsu/4796648038/ で先崎学八段のインタビュー記事を読んだ。多くの将棋ファンと同じように僕も、羽生世代の中で一人奔放に異彩を放つ先崎学の昔からの大ファンである。溢れる才能を持ちながら、いまだにタイト…

「コンピュータが将棋を制する日」は来るか?

親切な知人が「情報処理」2005年7月号「コンピュータが将棋を制する日」を貸してくれたので読んでみた。また羽生善治著「決断力」決断力 (角川oneテーマ21)作者: 羽生善治出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2005/07/08メディア: 新書購入: 44人 クリック: 29…